赤髪海賊団には、他の四皇によく見られる派手な合戦や討伐の記録がほとんどありません。
それでもシャンクスは四皇の一角として、世界に名を轟かせています。
ここでは確定している情報と、そこから見えてくる独自の考察をはっきり分けながら、赤髪海賊団の実像に迫っていきます。
赤髪海賊団とは?シャンクスが率いる四皇の海賊団
赤髪海賊団のトップは、赤髪のシャンクスです。
シャンクスはこの海賊団の大頭であり、同時に四皇の一人でもあります。四皇というのは、新世界にその名を轟かせる四人の大海賊のこと。
海軍や世界政府ですら簡単には手を出せない、海の頂点に立つ存在です。
他の四皇を見渡すと、白ひげは巨大な戦力で新世界を制し、カイドウやビッグ・マムも実際の戦いで名を上げてきました。武力による支配、と言い換えてもいいでしょう。
ところが赤髪海賊団については、そうした派手な合戦の描写がほとんど出てきません。四皇という称号は、必ずしも「戦った回数」で決まるものではないのかもしれない。この違和感が、この先の考察の出発点になります。
四皇という肩書きがどんな条件で成り立っているのかは、「海域が海賊を選ぶ」、四皇の条件は新世界という海の均衡かでも掘り下げられています。あわせて読むと、赤髪海賊団の特殊さがより際立つはずです。
シャンクスの原点、ロジャー海賊団出身という事実
シャンクスの経歴を振り返ると、見逃せない事実があります。
彼はかつて、ロジャー海賊団の見習いだったのです。あの伝説の海賊、ゴール・D・ロジャーのもとで育った人物ということになります。
そしてこの見習い時代、シャンクスと同期だったのがバギーです。
道化のバギーもまた、後に四皇の一角に名を連ねる海賊となりました。同じ船で育った二人が、それぞれ別の道を歩みながら海の頂点付近まで登り詰めたわけです。
これは単なる偶然の一致とは考えにくい部分もあります。
ロジャー海賊団出身という出自そのものが、新世界で特別な意味を持つ可能性があるからです。海賊としての実力だけでなく、ロジャーの遺した「何か」を受け継いでいる立場。それが赤髪海賊団の異質さの土台になっていると見ることもできます。
シャンクスとバギー、二人の関係性やその後の分岐については、シャンクスは意志を継ぎ、バギーは宝を選んだ、ロジャー海賊団の分岐点で詳しく考察されています。
なぜ四皇になれたのか?懸賞金と「見えない実力」の謎
シャンクスの懸賞金は、40億4890万ベリーです。
これは他の四皇と並んでも、まったく見劣りしない金額です。世界政府がそれだけ警戒している証拠、と言っていいでしょう。
ただ、ここで一つの疑問が浮かびます。
これほどの懸賞金がかけられていながら、赤髪海賊団が実際に暴れ回った描写や、大規模な討伐戦の記録がほとんど見当たらないのです。カイドウのように国を落とした話も、ビッグ・マムのように島ごと支配下に置いた話も出てきません。
懸賞金というのは基本的に、危険度の指標のはずです。だとすれば、シャンクスの懸賞金は「実際にやったこと」よりも、「やりかねないこと」への警戒から積み上がった数字なのかもしれません。
あくまでも推測ですが、世界政府が恐れているのは腕力そのものではなく、シャンクスが持つ情報や人脈、交渉力の部分ではないでしょうか。
暴力ではなく、別の武器で海を渡っている海賊団。そう考えると、次の章で見る事実がいっそう重い意味を帯びてきます。
四皇同士の力関係をあらためて整理したい人には、新四皇は「一人で完結しない強さ」?旧四皇との戦力比較で迫るもあわせて読んでみてください。
五老星と直接会談?シャンクスと世界政府の不思議な関係
もう一つ、見過ごせない場面があります。
シャンクスが、世界政府の頂点に立つ五老星と直接顔を合わせている場面です。これは一介の海賊にとって、本来ありえないはずの状況です。
五老星といえば、海軍元帥ですら簡単には近づけない存在とされています。そこに海賊であるシャンクスが、対等に近い立場で姿を見せている。この時点でかなり異常な関係だと分かります。
会談で何が話されたのかは、原作でもまだはっきりとは描かれていません。だからこそ、その目的をめぐってはさまざまな見方ができる部分です。
一つの見方として、この会談自体が「取引」や「情報交換」の場だった可能性が考えられます。
前の章で触れた「懸賞金は武力よりも警戒心の表れ」という見立てと重ねると、筋が通ってくる部分があります。世界政府がシャンクスを恐れているのは、彼が何を知っていて、誰と繋がっているか、という部分なのかもしれません。
この会談の目的については、シャンクスの真の目的:五老星との関係を考察でさらに深く掘り下げられています。気になる人はぜひそちらもチェックしてみてください。
ゴムゴムの実とルフィ、赤髪海賊団が残した因縁
赤髪海賊団とルフィの関係も、あらためて見直すと不思議な点が多くあります。
まず、ルフィが食べたゴムゴムの実。これはもともと政府の護送から、赤髪海賊団が奪い取ったものだったと言及されています。
普通に考えれば、悪魔の実は高値で取引される貴重品です。奪うこと自体に価値があるのは間違いありません。
ただ、その実が巡り巡ってフーシャ村のルフィのもとに渡り、結果的にルフィはゴムゴムの実の力に目覚めることになりました。しかもシャンクスは、その同じフーシャ村でルフィを近海の主から救い、左腕を失っています。
実を奪った行為と、ルフィを救った出来事。この二つが同じ海賊団の手によるものだという点は、単なる偶然にしては出来すぎている気もします。
もちろん、これは完全に推測の域を出ません。それでも、赤髪海賊団がルフィという存在の覚醒を、どこかで見越していたのではないか、という見方はできそうです。
だとすれば赤髪海賊団は、目の前の戦いではなく、もっと先の「因縁」を仕込むタイプの海賊団という一面が見えてきます。
フーシャ村での出来事と麦わら帽子のつながりについては、フーシャ村の代償と贈り物、麦わら帽子は一つのセットだったのかで丁寧に整理されています。
赤髪海賊団は物語でどんな役割を担うのか
ここまで見てきた事実を並べてみると、一つの輪郭が浮かび上がってきます。
ロジャー海賊団出身という出自。実際の戦闘描写がほとんどないまま積み上がった高額の懸賞金。五老星との謎めいた会談。そしてゴムゴムの実とルフィをめぐる因縁。
戦闘、討伐、支配。こうした派手な実績が一切出てこないのに、堂々と四皇でいられる海賊団。
同じロジャー海賊団の流れを汲む存在として比較すると、白ひげは圧倒的な武力で新世界に君臨したタイプでした。一方の赤髪海賊団は、情報と人脈、そして人との縁で物語を動かしているように見えます。
暴力ではなく、設計で四皇の座にいる海賊団。これが赤髪海賊団に対する、一つの見立てです。
もちろんこれはあくまで、原作の断片的な描写から導いた独自の見立てにすぎません。それでも、他の四皇とは明らかに違う土俵に立っている海賊団だということは、間違いなさそうです。
ロジャーや白ひげが遺したものとの違いについては、ロジャーは何を遺したのか?白ひげ・シャンクスとの遺産の差を解説で詳しく比較されています。
まとめ
シャンクスは赤髪海賊団の大頭であり、ロジャー海賊団出身、そして四皇の一角という確定した立場を持っています。
懸賞金の高さ、五老星との会談、ゴムゴムの実を巡る因縁。これらの事実を重ねると、赤髪海賊団は暴力ではなく、情報と人脈、そして仕込まれた因縁で物語を動かしているのではないか、という考察に行き着きます。
戦わない四皇の正体は、まだ完全には見えていません。だからこそ、関連する考察もあわせて読み比べてみてください。


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