白ひげの死体から、黒ひげがグラグラの実を奪い取った。頂上戦争を経験した読者なら、誰もが知る出来事です。
ただ、あの強奪が本当にただの幸運だったのかは、あまり語られてきませんでした。
白ひげが最強だった時間が終わる、たった一瞬の隙。そこにこそ、黒ひげの狙いが隠れていたのではないでしょうか。
黒ひげが奪った瞬間、戦場で何が起きたのか
マリンフォード頂上戦争は、頂点対決とも言うべき激戦でした。白ひげとエースが命を落とした、あの戦いです。
グラグラの実は、超人系の中でも最強格とされる能力。持ち主だった白ひげが息絶えた、まさにその直後に奪われました。
奪ったのは、当時まだ七武海にすらなっていなかった黒ひげです。海軍も、白ひげ海賊団も、大勢がひしめく戦場のど真ん中で、それは起きました。
普通に考えれば、あり得ない状況です。味方も敵も入り乱れる中、誰にも止められることなく能力だけを持ち去った。
この一点だけでも、黒ひげがただの海賊でないことが伝わってきます。
そもそも悪魔の実の能力は、持ち主が死ぬと海のどこかへ飛び、まったく別の生き物に宿ると言われています。誰にも奪われないよう、いわば自然に散っていく仕組みです。
だとすれば、能力をそのまま奪い取れる状況自体が、めったに巡ってこないはずです。死んだ瞬間、すぐそばに奪う側がいなければ成立しません。
黒ひげは、その一瞬を逃しませんでした。狙って、そこにいたとしか思えません。
なぜ黒ひげだけ、二つの能力を持てるのか
悪魔の実には、一人が一つしか宿せないという大原則があります。作中で繰り返し語られてきたルールです。
ところが黒ひげだけは、その原則の外にいます。史上ただ一人、二つの能力を同時に持つ男。
なぜ彼だけが例外になれたのか。原作では、その仕組みはまだはっきりと明かされていません。
黒ひげの体には、何か特別な性質があるのではないか。読者の間でよく語られる見方ですが、これはあくまで推測にすぎません。
むしろ気になるのは、仕組みよりも「機会」の少なさです。
さきほど触れたとおり、能力を奪える条件が揃う瞬間は、歴史上ほとんど存在しなかったと考えられます。強大な海賊ほど、簡単には殺されません。
殺された瞬間にすぐそばにいて、しかも力を奪う意思を持つ者。そんな人物は、そう何人もいなかったはずです。だからこそ黒ひげの強奪は、唯一の成功例として際立って見えるのです。
似た構図は、ほかにもあります。長年ゴムゴムの実だとされてきたルフィの力は、実はヒトヒトの実 モデル・ニカという幻獣種だったとする説が有力です。
もし本当だとすれば、悪魔の実には人類がまだ把握しきれていないルールが、まだいくつも隠れているのかもしれません。
そのあたりの事情は、ニカ正体考察 世界政府がゴムゴムと偽った理由でも詳しく考察しています。
白ひげはなぜ、隙を見せてしまったのか
白ひげほどの男が、なぜ能力を奪われるような隙を作ってしまったのか。答えは単純です。
そのとき白ひげは、もうこの世にいませんでした。
エースを失い、自らも致命傷を負い、戦場に倒れた直後。守る者のいない、ほんの一瞬の空白。黒ひげが動いたのは、まさにその瞬間でした。
偶然にしては、出来すぎている。
そもそも黒ひげは、なぜ頂上戦争にわざわざ姿を見せたのでしょうか。単に戦いに参加したかったわけではなく、あの瞬間が来ることを、最初から見越していたのではないでしょうか。
白ひげという最強の壁がいなくなる瞬間。それこそが、黒ひげにとって唯一無二のチャンスだったはずです。
生きている白ひげに、正面から挑んで能力を奪うなど不可能に近い話です。だから黒ひげは、白ひげが死ぬのを待つほかなかったのだと考えられます。
戦場に紛れ込み、混乱の中で機を伺う。目立たず、けれど誰よりも冷静に、その瞬間だけを待っていた。
だからこそ黒ひげは、あの戦場に立っていた。奪えるかどうかではなく、いつ奪うかだけを見ていたのだと考えられます。
マーシャル・D・ティーチは、いったい何を狙っているのか
黒ひげが求めていたのは、ただの強さだったのでしょうか。それにしては、動き方が周到すぎます。
グラグラの実という、島すら沈められる力。それを手に入れた先で、黒ひげが本当に見ているものは何なのか。
原作では、黒ひげ自身の出自や目的について、まだ多くが語られていません。だからこそ、いろいろな見方ができる余地が残っています。
力そのものではなく、世界を揺るがす手段が欲しかったのではないか。あくまで一つの見方ですが、そう読むこともできます。
Dの一族との関わりを噂する声も少なくありません。ただし、これも今のところ確かな裏付けがあるわけではなく、あくまで噂の一つです。
そのつながりについては、D一族の謎 血統か託される意志かでさらに掘り下げています。
グラグラの実強奪は、大きな物語の伏線なのか
黒ひげの強奪劇を、頂上戦争だけの出来事として片づけていいのでしょうか。そうは思えません。
長年ゴムゴムの実だと思われてきた力が、実はニカだったという説。そして、黒ひげが二つの能力を持つという事実。この二つを並べると、一つの疑問が浮かびます。
「一人一つ」という悪魔の実のルールは、本当に世界政府でさえ完全に把握しているのでしょうか。
もし把握できていないのだとしたら、そのルールを本当の意味で知る者が、政府の上層に存在するのかもしれません。イム様や五老星といった、頂点に立つ存在です。
空白の100年、そして連合王国の記憶。悪魔の実の隠されたルールは、その時代にまでつながっている可能性があります。
800年前、世界政府が生まれる前の世界を知る者がいるとすれば、悪魔の実についても人類が知らない歴史を握っているはずです。黒ひげの強奪劇は、その大きな謎に触れる小さな入り口なのかもしれません。
このテーマについては、イム様の正体とは 世界政府の頂点の謎まとめや五老星は本当に人間なのか?玉座に座らぬ正体を能力から考察でも触れています。
ジョイボーイという存在との関係も気になるところです。ジョイボーイは『称号』か『人物』か 空白の100年とニカで、さらに考察を広げています。
まとめ
白ひげの死体から、黒ひげがグラグラの実を奪い取った。史上ただ一人、二つの能力を持つ男が生まれた瞬間です。
あの強奪は、油断が生んだ偶然ではなかったはずです。最強の不在という、たった一度きりの機会を狙い澄ました結果だったと考えられます。
黒ひげの本当の狙いも、悪魔の実に隠されたルールも、まだ多くが謎のままです。けれど、その謎の先には、物語の核心につながる何かが待っているのかもしれません。

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